成立したeビジネス/デジタルビジネス関連の特許/実用新案(FI=G06Q)で、特許公報発行日が2026年6月のものは745件(うち実用新案4件)でした。それらの中から次の4つをご紹介します(前々月に発行された登録特許から選んでいます)。

楽天グループ株式会社 旅行計画を生成するためのシステム、方法、及びプログラム(特許7868279)

 2026年6月1日発行。
 ユーザ入力に基づいて複数の訪問地を決定、複数の訪問地の訪問順序を決定、複数の訪問地及び訪問順序に基づいて移動ルートを決定し、最後の訪問地の位置情報に関連付けられた検索範囲内から宿泊施設を検索するAIエージェントの発明。Rakuten AI Optimismという展示会の楽天トラベルブースで、ユーザーと会話をして旅程やおすすめのホテルを提案するAIコンシェルジュと、おすすめのホテルだけでなく最適な旅のスケジュールまでAIが提案、というようなデモ展示が行なわれたようですので、この機能に関する発明と思われます。宿泊施設の検索を構成に含まない特許7868280も成立。

サッポロビール株式会社 提案システム、提案方法及び提案プログラム (特許7867857)

 2026年6月1日発行。
 飲料に用いる香料に関して、所望の程度の創造性を有する香料の提案を可能とする提案システムの仕組みの発明。RTD(低アルコール飲料)商品開発のDX化に向けたAIシステムN-Wing★に関する発明と思われます。商品のコンセプトや必要な情報を入力するだけで、最適な原料の組み合わせや推奨香料の比率・レシピを瞬時に予測・出力するとのこと。

住友商事株式会社  施設運営支援システム、施設運営支援方法及び施設運営支援プログラム(特許7876942)

 2026年6月22日発行。
 職員の勤務予定の作成、職員情報と勤務実績とに基づき人員配置基準が満足されるか否かの判定や公的機関に提出するための書類を作成する、という仕組みの発明。新規性喪失の例外の表示があり、SOMPOケア運営の全介護付きホームに導入された職員の勤務予定や行政書類の自動作成などを行なうFIKAIGOというDXサービスに関する発明のようです。

株式会社JR西日本テクシア 決済システム(特許7877060)

 2026年6月22日発行。
 表情認識部が認識したその顧客の表情の認識結果に基づいて、その顧客に所定のメリットを付与することを特徴とする決済システムの仕組みの発明。顔認証での決済の際に表情認識もおこなえば、このような発明が可能になるのでしょう。表情が笑顔の場合にメリット(ポイント、クーポンなど)が付与されれば、明るい顔の顧客が多くなり、明るい街づくりに寄与することになる、という効果がおもしろいです。しかし、笑顔を作るのがヘタな人は多いので実際の実施は難しいかもしれません。それよりも、例えば疲れた表情の場合に、お疲れポイント付与やビタミンドリンクのクーポン配布というような機能のほうが、実施の可能性は高いと思います。しかし、残念なことにこの特許の請求項での表情認識は「笑顔」だけです。その他の表情も当てはまるような請求項にしておいたほうがよかったと思います。もったいなかったと感じます。

 

その他、主なeビジネス/デジタルビジネス関連の動向より

 その他、注目すべき情報です。主に先月発表の情報より。

総務省 令和8年版情報通信白書
 7月24日に公開。「特集 AIの進展がもたらす多面的影響~人間とAIが健全に協働するデジタル社会の実現に向けて~」の中で、生成AIの利用率などの調査結果が紹介されています。日本における生成AIの利用率(利用経験率)は、今回の2025年度調査で58.8%となり 、2024年度調査(26.7%) に比べて大幅に上昇。 しかし、中国の93.6%。米国・ドイツの75.6%に比べてまだ低い状況。年代別では、日本では15歳~19歳の利用経験率が最も高く、これに20歳~29歳に続いていますが、30歳台・40歳台の利用率は米国・ドイツよりまだかなり低いです。

PayPayとセブンが顧客データ統合 1億IDで国内最大級のポイント経済圏
 日経電子版 2026/7/23より。PayPayとセブン&アイHDが顧客データを統合する方向で最終調整に入った。ID数は1億人超と国内最大級のポイント経済圏が誕生、という記事。膨大な決済データと小売データの統合というのは意味が大きいです。この記事にあるようにセブンの店舗での買い物金額に応じてPayPayポイントなどがたまりやすくなる、といった施策が実施されるかもしれません。なお、セブンがソフトバンクやPayPayの出資の受け入れを正式に発表したのは7月31日でした。

人工知能基本計画~日本AX、より強く、より豊かに~
 7月10日の第5回人工知能戦略本部の会合で改定案が決まり、7月14日に閣議決定。日本の勝ち筋は「バーティカルAI」と「フィジカルAI」の実装による「AX」として、そのための推進計画を立案。19分野の業界特化型AI(バーティカルAI)の開発の推進など。

ニュース

2020年04月24日
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