成立したeビジネス/デジタルビジネス関連の特許/実用新案(FI=G06Q)で、特許公報発行日が2025年7月のものは820件(うち実用新案2件)でした。それらの中から次の4つをご紹介します(前々月に発行された登録特許から選んでいます)。
株式会社NTT DXパートナー 製品情報生成方法、製品情報生成装置、及び製品情報生成プログラム(特許7706630)
2025年7月11日発行。
製造技術を示す技術情報と、ユーザとの対話に基づいて生成された対話履歴情報とに基づいて、製造技術を用いて製造され、かつ、対話履歴情報が示す需要に寄与する製品を示す製品情報を生成、という仕組みの発明。新規性喪失の例外の表示によると、同社が提供する架空商品モールに関する発明と思われます。地域メーカーの技術力と生活者の「あったらいいな」をかけあわせる新商品プロデュース事業の中の。
株式会社ノジマ 補助金申請書作成支援サーバ、補助金申請書作成支援システム及び補助金申請書作成支援サーバのプログラム(特許7701579)
2025年7月1日発行。
画像を貼付する必要のある補助金の申請書であっても作成支援を行える補助金申請書作成支援システムの発明。新規性喪失の例外の表示によると、東京ゼロエミポイントの申請の際、同社のアプリで申請可能という機能に関する発明のようです。
ホームネットカーズ株式会社 個人間カーシェアリングシステム及び個人間カーシェアリングシステムの制御方法、プログラム、及び記録媒体(特許7700401)
2025年7月1日発行。
ガソリンスタンドを介して個人間カーシェアリングを行う仕組みの発明。ホームネットカーズ株式会社( ニコニコレンタカーなどを運営)は、コスモ石油マーケティング株式会社と業務提携して、やさしいカーシェアというガソリンスタンドを介したカーシェアリングを行っていますので、そのサービスの延長で個人間のカーシェアリングを行うことを検討した発明と思われます。なお、この特許は分割出願が成立したもので、元の特許出願は既に成立しています(特許7321483)。
株式会社サーティファイ 試験システム、サーバおよび試験方法(特許7703756)
2025年7月7日発行。
受験者の不正行為を監視しやすい試験システムのための発明。資格試験を運営するサーティファイが2021年から提供しているリモート受験機能のリモートWebテストに関する発明と思われます。なお、この特許は分割出願が成立したもので、元の特許出願は既に成立しています(特許7535899)が、異議申立てを起こされていて、6月に取消理由通知書が示され、先月、意見書・訂正請求書を提出している状況のようです。
その他、主なeビジネス/デジタルビジネス関連の動向より
その他、注目すべき情報です。主に先月発表の情報より。
LINEヤフー、「ヤフークイックマート」8月終了を発表 クイックコマースから撤退
日本ネット経済新聞 2025/8/21の記事より。以前の取材で、ダークストア運営による固定コストが大きい、とのことだったので、その理由による撤退のようです。クイックコマースの運営は難しいです。
コンビニ「うちだけ商品」磨く 国内店舗数24年度3年ぶり増加、セブンはスムージー1日40万
日経MJ 2025年8月20日より。日経MJがまとめた2024年度のコンビニ調査(第46回)によると、国内店舗数は3年ぶりに増加したとのこと。コンビニ各社が「うちだけの商品」やデジタル戦略で差別化しようとしているのが現状。なお、産経新聞によると、ローソンは新規出店「過疎地2割」とする計画とのこと。
特集 「AI-Ready」データ 生成AI活用の命運握る
日経コンピュータ 2025年8月21日号より。生成AIを業務で活用するには、データをAIが理解して活用できる形、すなわち「AI-Ready」にすることが不可欠になっているという特集記事。