成立したeビジネス/デジタルビジネス関連の特許(FI=G06Q)で、特許公報発行日が2023年6月のものは694件(うち実用新案6件)でした。それらの中から次の4つをご紹介します(前々月に発行された登録特許から選んでいます)。

ヤフー株式会社+株式会社ZOZO 情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム(特許7299280)

 2023年6月27日発行。
 この特許の「新規性喪失の例外の表示」に、写真でOK おてがる買取サービス-ヤフオク!のurlの記載がありました。既に終了してしまったサービスのようですが、特許だけ残りました。ZOZOと共同出願したようです。

NEXT Logistics Japan株式会社+トヨタ自動車株式会社 隊列編成装置、隊列編成方法及び隊列編成プログラム(特許7290998)

 2023年6月14日発行。
 高速道路などで自動運転のトラックが隊列走行する仕組みに関しての特許。現在はすべての車両が有人ですが、今後は先頭が有人で後続が無人(自動運転)というような形態が期待されています。この特許は、そのような形態において、修理用車両やトイレ用車両を含む構成にして、隊列の停止をなるべく抑制するようにする仕組みの発明。なお、ネクスト・ロジスティクス・ジャパンは日野自動車(トヨタ系列)が出資する会社で、隊列走行などの技術開発をしていて、現在はダブル連結トラックを実用化しています。トヨタとの共同出願ということは、トヨタはトラックの自動運転に関しても特許を持っていたいということなのでしょう。

株式会社竹中工務店 支援システム、及び支援プログラム(特許7296220)

 2023年6月22日発行。
 構造物を構成する部材の取付位置を特定した結果に基づいて、ユーザが保持する端末装置のレンズ部を介して、三次元実空間でその部材の取付位置を示す取付位置画像を重畳して表示するという仕組みの発明。建築の設計・施工プロセスでのHoloLens活用に関する発明と思われます。

飯田グループホールディングス株式会社 健康増進プログラム提供システム及び健康増進プログラム提供方法(特許7285886)

 2023年6月2日発行。
 「G06Q」の特許分類は振られていませんが、飯田グループがAI解析を用いた「住宅と連携した健康増進に関するビジネスモデル特許」を取得というリリースを出していますので、ご紹介しておきます。住宅のセンサーから収集した居住者の健康状態を分析して健康増進プログラムを提供する仕組みの発明。

 

その他、主なeビジネス/デジタルビジネス関連の動向より

 その他、注目すべき情報です。主に先月発表の情報より。

特集 試練のデジタル広告 生成AIがもたらす破壊と創造
 日経コンピュータ 2023年7月6日号より。生成AIによって、キャッチコピーの文言、バナー広告の画像、実写と見まがう人物モデル画像などが生成できてしまう。今後、デジタル広告業界への影響は大きいでしょう。

「飲みニケーション」より効果 2人一緒でドリンク無料自販機
 産経新聞のサイト 2023/7/8より。サントリーの「社長のおごり自販機」を、社内での社員間のコミュニケーション促進に使っている事例をいくつか紹介しています。「テイクアウト禁止」にして、自販機の近くの談話スペースで雑談をうながすというような活用方法を紹介。なお、このサイトの2021年12月号で「社長のおごり自販機」の特許を紹介しています。

あずさ監査法人による「DX推進アンケート2023」について
 2023.07.25発表。2023年2月~5月に217社にウェブアンケートした結果をまとめたもの。実際にどのようなスキルを保有した人材が不足しているかについては、データサイエンティストやソフトウェアエンジニアといったIT技術関連よりも、ビジネスアーキテクトが多かった(88%)とのこと。

 

 

ニュース

2020年04月24日
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2017年04月04日
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