成立したeビジネス/デジタルビジネス関連の特許(FI=G06Q)で、特許公報発行日が2021年7月のものは592件(うち実用新案1件)でした。それらの中から次の4つをご紹介します(ダイレクトリンクを張る関係で前々月に発行された登録特許から選んでいます)。

株式会社ファーストリテイリング  コーディネート支援サーバ及びコーディネート支援システム(特許6909544)

 2021年7月28日発行。
 画像検索に基づくコーディネート支援の発明ですので、ユニクロ・GUのスマホアプリStyleHintに関する発明と思われます。

株式会社ZOZO サイズ測定装置、管理サーバ、ユーザ端末及びサイズ測定システム(特許6904731) 

 2021年7月21日発行。
 専門的な採寸技術のないユーザでも簡単に取り扱え、容易に採寸可能なサイズ測定装置等の発明。2017年出願ですので、採寸用ウェア「ZOZOSUIT」(初代) に関する発明と思われます。発明者は、元社長の前澤友作氏。

株式会社バカン 情報処理装置、プログラムおよび情報処理方法(特許6900082)

 2021年7月7日発行。
 複数の店舗の空き情報を取得して表示するための発明。バカンは、飲食店・施設・トイレなどの混雑状況を簡易に把握するための技術を提供する会社です。その技術を活用して、いま空いている店舗・施設が地図上でわかるVACAN Mapsのサービスも提供していますので、そのサービスに関する発明と思われます。「新規性喪失の例外の表示」にもあげられています。

株式会社クレディセゾン スコアリング装置、スコアリング方法、及びプログラム(特許6906003)

 2021年7月21日発行。
 会員の取引状況や個性に応じた特典を提供できるスコアリングの仕組みの発明。信用スコアのセゾンクラッセに関する発明のようです。

 

その他、主なeビジネス/デジタルビジネス関連の動向より

 その他、注目すべき情報です。主に先月発表の情報より。

金融機関のエコシステム作りが本格化
 まず、先月26日、SMBCグループ3社は、みらいワークスとともに、エコシステムプラットフォーム未来X(mirai cross)を新設しました。シード期向けのアクセラレーションプログラムや、事業会社パートナーとの協業サポートプログラムなど、スタートアップ企業を取り込むための動きだと思います。また、30日には、GMOあおぞらネット銀行が、デジタルビジネスガレージ ichibarを開始しました。「組込型金融」関連サービスの企画・開発促進を目的とした、「1.コミュニティ機能」、「2.マーケットプレイス機能」、「3.ビジネスアイデア検証環境」の3つの機能を有した、循環型のプラットフォーム(エコシステム)とのことです。DXに取り組む企業が増えているため、このような共創のためのエコシステム化の動きは、今後、他の企業や他の業界でも盛んになると思われます。

経済産業省による2020年の電子商取引に関する市場調査
 7月30日に、経済産業省から発表がありました。日本国内のBtoC-EC市場規模は、19.3兆円(前年19.4兆円、前年比0.43%減)とほぼ横ばい、とのこと。コロナ禍でネット通販が伸びているはずなのにおかしいと思いましたが、「物販系分野の大幅な市場規模拡大につながった一方、主として旅行サービスの縮小に伴い、サービス系分野の市場規模は、大幅に減少」であったため、全体では「ほぼ横ばい」になったとのこと。物販系だけみると、21.71%の伸びでした。なお、総務省統計局による家計消費状況調査 ネットショッピングの状況についてという資料を見ると、昨年春にネットショッピングを行う世帯が増えたことが分かります。このような傾向から、リアル店舗の購入額が減り、日経MJによる20年度百貨店調査では既存店27%減収、20年度コンビニ調査では初の減収、という結果が出ています。

21年度R&Dアンケート(2)新規事業への積極投資目立つ
 日刊工業新聞2021/8/10より。主に大企業向けのアンケートを集計した結果を公表。研究開発においてもデジタル変革(DX)は経営課題になっている。DX推進について回答のあった223社中73.1%の企業が「すでに取り組んでる」と回答。「検討している」企業は21.5%、「検討していない」企業は5.4%だけであった。21年度計画の研究開発費に占めるDX推進関連費は、回答のあった43社の中ではダイキン工業が126億円と首位になった。研究開発費の16%をDXに当てる。


 

 

ニュース

2020年04月24日
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