成立したeビジネス/デジタルビジネス関連の特許(FI=G06Q)で、特許公報発行日が2021年6月のものは657件(うち実用新案3件)でした。それらの中から次の4つをご紹介します(ダイレクトリンクを張る関係で前々月に発行された登録特許から選んでいます)。

第一生命保険株式会社  情報処理装置、プログラム、及び情報処理装置の動作方法(特許6880290)

 2021年6月2日発行。
 販売担当者間における技量の伝授を効率化するため、習熟者の履歴情報を教師データとして機械学習するなどして、保険契約提案の設計を支援する仕組みの発明。これは、第一生命の「AI保障設計レコメンドシステム」に関する発明と思われます。

株式会社ナビット  マッチングシステム及びマッチング方法(特許6890803)

 2021年6月18日発行。
 助成金・補助金を受けたい者と、この補助金・助成金を使って商品又はサービスを提供することができる者をマッチングさせる仕組み。ナビットの助成金ブログに特許取得「助成金なうのマッチングシステム」と公表されていましたので、そのシステムに関する特許のようです。

株式会社Rebase 予約システム、予約方法および、予約プログラム(特許6889429)

 2021年6月18日発行。
 レンタルスペースに飲食物を配送してもらいたい場合、レンタルスペースに配送可能な飲食事業者と、飲食物を配送可能なレンタルスペースが検索され、レンタルスペースと飲食物の予約を効率的に行うことができる仕組みの発明。レンタルスペースの予約サイトインスタベースを運営する会社であり、「インスタベースPlate」に関する発明と思われます。

株式会社Matchbox Technologies  就業マッチング支援装置、就業マッチング支援方法及び就業マッチング支援プログラム(特許6881782)

 2021年6月2日発行。
 求人の希望日時に対して、一部の時間帯のみ就業可能な場合であっても応募可能であり、容易に就業時間を調整することが可能な就業マッチング支援の仕組みの発明。短期、単発バイト専門のマッチングサイトmatchboxを運営する会社ですので、そのサービスに関する発明のようです。

 

その他、主なeビジネス/デジタルビジネス関連の動向より

 その他、注目すべき情報です。主に先月発表の情報より。

特許庁より「発明者等の表示について 発明者等の欄に自然人でないと認められる記載がある場合」
 先月30日、特許庁が人工知能(AI)などを発明者として記載することは認めていないという発表を行いました。なぜ、このような発表をしたが分からなかったのですが、一昨日の平和博氏によるYahooニュースの解説記事「AIが発明者」裁判所が初めて認めた衝撃度で、オーストラリアの連邦地裁が「AIを発明者として認める」との初めての司法判断を下したことから、急遽日本の特許庁がこのような発表をしたことが分かりました。個人的には、AIが発明者になることは反対です。または、AIが発明者の場合には、大幅な権利縮小にしたり、審査の優先度を落とすような制度設計にしたほうがいいと思います。

米巨大IT、大幅増益続く 4~6月の利益合計8兆円 デジタル化、経済回復で
 産経新聞のサイトのニュース2021/7/30によると、米巨大IT5社(GAFAM)の最終利益の合計は749億9900万ドル(約8兆2千億円)に達したとのこと。とんでもない巨額です。経済が回復しつつあることと、コロナウイルスの影響による社会のデジタル化が進んでいることが大きな理由でしょう。国内でも、日本経済新聞社による2020年度の小売業調査でアマゾンジャパンの売上高が2兆1848億円(前年度比25.2%増)と大きく増加したと報じられています。

業績絶好調の裏に「脱・商品起点の発想」、ソニーGの勝本CTO
 日経クロステックのサイトの2021/7/30の記事より。世界中のソニーグループ内のエンジニアをつなげるコミュニティー活動として、「コーポレート・ディスティングイッシュド・エンジニア(Corporate Distinguished Engineer)」、「技術戦略コミッティ」、「ソニーテクノロジーエクスチェンジフェア(Sony Technology Exchange Fair)」というようなコミュニティやイベントが紹介されています。もともと、エレキや半導体エンジニアが始めた活動が、エンタメや金融などの分野に広げていっており、やっとグループ会社の参加者が充実してきた、とのことです。


 

 

ニュース

2020年04月24日
所属を変更しました。
2017年04月04日
サイトをオープンしました。