成立したeビジネス/デジタルビジネス関連の特許/実用新案(FI=G06Q)で、特許公報発行日が2026年7月のものは803件(うち実用新案4件)でした。それらの中から次の4つをご紹介します(前々月に発行された登録特許から選んでいます)。
株式会社LIXIL 支援システム(特許7883839)
2026年7月02日発行。
三次元画像生成、シミュレーターなどによって、商品の購入や見積もりを適切に支援する仕組みの発明。LIXILがネットで提供しているLDKデザインシミュレーターの仕組みかなと思いましたが、この発明では商品・仕様などを選択していって見積りまで出すような流れ(ショールームでの接客の場面)が書かれていて、新規性喪失の例外の表示でも接客に利用したことが記載されています。画面例を見ても、LDKデザインシミュレーターとは異なりますので、ショールームでの接客用のツールの発明と思われます。自宅でLDKデザインシミュレーターを使ってある程度イメージを固めてもらって、この発明のようなツールにつなげるのかもしれません。
株式会社JTBビジネスイノベーターズ ペット同伴旅行管理システム、及びペット同伴旅行管理方法(特許7898641)
2026年7月12日発行。
ペット同伴旅行の実行過程において、予約対象となる旅行サービス提供主体に設置された認証用デバイスで、同伴ペットに埋め込まれたマイクロチップ又は生体認証情報を読み取り、その読み取った情報とペットデータに記憶された識別情報とを照合して同伴ペットが予約情報に対応する正規のペットであるか否かを判定、という仕組みの発明。JTBがDogLifeと提携し、次世代トラベルプラットフォーム「DogLife Travel」ベータ版と関連した発明と思われます。DogID(愛犬の個体識別・属性データ)による適合判定をおこなうとのことです。
住信SBIネット銀行株式会社 送金制御システム、送金制御サーバ及びプログラム(特許7890493)
2026年7月14日発行。
個人間送金サービスの利用を促進する仕組みの発明。新規性喪失の例外の表示によると、「ことら送金」自動適用機能に関する発明のようです。ことら送金自体の機能はサポートしている他の金融機関でも同じはずですが、自動適用機能(「ことら送金」が適用される振込であるかどうかを自動判定する機能)は住信SBIネット銀行の独自機能とのことです。
学校法人 東洋大学 履修支援装置、履修支援プログラム及び履修支援方法(特許7894182)
2026年7月23日発行。
学習者の将来を見据えた目標の設定及び設定した将来を見据えた目標に合った履修科目の選択を支援できる履修支援の仕組みの発明。新規性喪失の例外の表示によると、東洋大学の「総合知アプリ」に関する発明のようです。総合知アプリは、東洋大学が2025年4月に開始した総合知教育のコンセプトに沿って、学部の垣根を越え、自身の興味関心や将来像に関連するさまざまな授業を見つけることを可能にするツールで、AIによる様々な提案により学生自身も気づいていない自らの興味や可能性の発見をナビゲートするとのこと。総合大学の強みを活かすための仕組みといえるでしょう。発明者は高等教育推進支援室の2名。内製(学内開発)したようです。
その他、主なeビジネス/デジタルビジネス関連の動向より
その他、注目すべき情報です。主に先月発表の情報より。
日立の危機感 徳永流 フィジカルAI総力戦
日経ビジネス 2026/8/31号の特集。26年3月期には過去最高益となったが、安住せずにフィジカルAIを核としてさらなる成長を追求する姿勢を見せています。
ITパスポート試験の新シラバス(案)Ver.0.1
IPAは8月31日に来年度以降の新試験制度におけるシラバス案を公表。まだ確定ではないようですが、この案の方針で考えられてゆくようです。大きな変更点としては、これまでのストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系から、ビジネス、テクノロジ、セキュリティ・倫理の3分野に再編されました。「ビジネス」には、ストラテジ系・マネジメント系の内容が主に入りましたが、それ以外に「データ分析・データ利活用」がテクノロジー系から移ってきました。「マインド・スタンス
」「データマネジメント」等も追加されました。また、これまでストラテジ系にあった法律に関する部分はセキュリティ・倫理に移りました。セキュリティ・倫理には、「情報倫理・AI倫理」という中分類も加わり、ITでも倫理が重要視されるようになりました。削除されたものとしては、システム開発技術、アルゴリズム、プログラミングに関する設問はなくなったようです。ですので、プログラミング未経験者には有利になった感じです。
2025年度百貨店調査 百貨店外商「26年度は増収」73% 2500万円宝飾、即決購入の例も
日経MJ 2026年8月26日-1面より。毎年恒例の百貨店調査。2025年度の百貨店調査では、総売上高が24年度比0.2%増(比較可能な132店舗)の5兆1914億円と5年連続の増収。インバウンドの減少が響き、伸び率は鈍化したが、外商顧客による高額消費がけん引。松屋の外商部門の売上高は8%増。26年3月からは3〜4人のチーム制を導入し、顧客情報の管理や分析、営業の成功例などを共有。松屋では年間購買額が1000万円を超える顧客が増えており、25年度は約1割増、とのこと。最近、百貨店は外商ががんばって収益を維持している傾向です。