成立したeビジネス/デジタルビジネス関連の特許/実用新案(FI=G06Q)で、特許公報発行日が2026年5月のものは713件(うち実用新案6件)でした。それらの中から次の4つをご紹介します(前々月に発行された登録特許から選んでいます)。
楽天グループ株式会社 感情指標値計算装置、感情指標値計算方法、及び感情指標値計算プログラム(特許7860297)
2026年5月15日発行。
意見を示す情報で表現される感情に関する数値を計算するために、複数の意見情報のそれぞれについて感情の強度を示す強度値を取得し、極性値に強度値を乗算することで指標値を計算するような仕組み。VOC(顧客の声)を分析するVoC Analyzerに関する発明と思われます。
株式会社スマートバンク 情報処理システム、サーバ装置、情報処理方法、および情報処理プログラム(特許7867606)
2026年5月29日発行。
取引情報をAPI連携に拠らないで集約する仕組みの発明。新規性喪失の例外の表示があり、AI家計簿アプリ「ワンバンク」のAIスクショ読み取り機能に関する発明と思われます。取引履歴一覧のスクリーンショットをアップロードするだけで、複数の支出を一括で自動記録できる機能。
PayPay株式会社 情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム(特許7864903)
2026年5月25日発行。
売上時の決済金額が電子マネー残高を上回った際に、追加徴収金額を考慮したチャージ金額を利用者端末に表示する仕組み。新規性喪失の例外の表示があり、PayPay残高カードに関する発明と思われます。残高が不足する際には自動的に不足額以上がチャージされるとのこと。
東芝エレベータ株式会社 エスカレータの歩行停止ポイント付与システム(特許7855671)
2026年5月8日発行。
利用者のエスカレータ上での停止状態を把握し、停止状態に応じて停止ポイントを付与する仕組みの発明。まだ実施されていなと思いますが、「エスカレータで歩くな」ではなく「エスカレータを止まって乗っていればポイントがもらえる」という逆転の発想の発明。ただし、具体的な仕組みは専門的すぎて私にはよく理解できませんが。
その他、主なeビジネス/デジタルビジネス関連の動向より
その他、注目すべき情報です。主に先月発表の情報より。
グルメAIが飲食店提案 ぐるなびなど、ChatGPT台頭で新サービス
日経電子版 2026/6/30より。ぐるなびは8月に検索アプリ「UMAME!(うまみー!)」で利用者のAIエージェントを連携させるサービスを始める。AIエージェント同士で調整、好みの違う人が集まる食事会でも皆の意見を取り入れた「最適な店」を提案できるようにする、とのこと。AIエージェント間の連携(マルチエージェント)は企業内の活用としてはいろいろ聞いていましたが、消費者にまで広まってきました。
人工知能学会設立40周年にあたっての提言
人工知能学会が2026/6/15に発表。AIは「人間に取って代わる存在」ではなく、「人間の知性と創造性を拡張し社会の持続可能性を支える技術」であるとし、人間の尊厳、文化の多様性、社会の持続可能性を重視し、人とAIが共生する社会の実現に向けて4つの柱を提言。4つの中で、「人間の知性と学びを支えるAI活用の確立」「公共性・安全保障・倫理に基づく責任あるAIの推進」が、私は特に重要と思いました。
「Pay」の転換期 1強PayPay、対抗か独自路線か
日経コンピュータ 2026/6/11号の特集。このサイトでもPayPayの特許をいろいろ紹介していますが、特許面で他社を圧倒している感じです。競合他社は、独自路線の追求など様々な手段で生き残り策を模索しているようです。