成立したeビジネス/デジタルビジネス関連の特許/実用新案(FI=G06Q)で、特許公報発行日が2025年8月のものは722件(うち実用新案3件)でした。それらの中から次の4つをご紹介します(前々月に発行された登録特許から選んでいます)。

PayPay株式会社 情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム(特許7719269)

 2025年8月5日発行。
 電子決済サービスで管理されている利用者の給与ウォレットに入金し、その給与に保険を適用させて給与ウォレットの給与を保証する仕組みの発明。新規性喪失の例外の表示から「PayPay給与受取」に関する発明と分かります。PayPay給与受取にはPayPayの破綻時に備える「第三者保証」があるので、その仕組みのことと思われます。PayPay給与受取については、全部で10件位の特許が成立しているようです。なお、ToreruMediaのPayPayはなぜ「スマホ決済」の王者になった? ~圧倒的No.1を支える機能&知財を探るという解説に、いくつかの特許が紹介されています。

楽天グループ株式会社 ポイント運用装置、ポイント運用方法、及びポイント運用プログラム(特許7731459)

 2025年8月29日発行。
 入れられたポイントに対して利息が付く運用ポイント枠に移動させた後、所定期間、利用可能ポイント枠から運用ポイント枠へのポイントの移動を停止させる仕組みの発明。楽天ポイント利息に関する発明と思われます。

株式会社大林組 プログラム、コンピュータおよび情報処理方法(特許7728523)

 2025年8月25日発行。
 データセンター建設に関する発明。複数の互いに連携するデータセンターを組み合わせることにより構成されるデータ保存システムの安全性が十分であるか否かを判定することができる仕組みで、各不動産安全率および各機器設備安全率に基づいて設置されるべき各データセンターの安全率を算出する発明。実施されているかは未確認ですが、このような仕組みでデータセンターの安全性を判断しているのでしょう。

株式会社ジェーシービー+トヨタ・コニック・アルファ株式会社 プログラム、情報処理装置、及び情報処理方法(特許7729797)

 2025年8月26日発行。
 開示する情報の範囲の条件を含む開示条件を設定しておいた上で、ある所定条件が満たされたときに、開示条件に基づいて開示情報を開示するための通知を、予め設定された機関又は代理人に対応付けられた装置に送信する仕組みの発明。JCBとトヨタ・コニック・アルファによるゆるやか連携という実証実験(特定の事業者がデータを囲うのではなく、生活者の意思で指定した範囲だけつなげて利活用する社会をめざす)に関する発明と思われます。

 

その他、主なeビジネス/デジタルビジネス関連の動向より

 その他、注目すべき情報です。主に先月発表の情報より。

モビリティのテストコースToyota Woven Cityで、本日実証を開始
 トヨタ自動車が2025年9月25日に発表。トヨタの実証都市が始動。Woven Cityを活用して新しいプロダクトやサービスを開発・実証する企業・個人は、Inventors(インベンター/発明家)。より幅広い企業等に実証への参加を募り「カケザン」による発明を加速させたい方針。アクセラレータープログラム「Toyota Woven City Challenge - Hack the Mobility -」を既に始めています。

Google検索「AIモード」、9日に日本語など5言語対応 画像連携も
 日経電子版2025/9/9の記事より。9日からAI検索サービス「AIモード」を日本語等の5言語に対応。正式に開始されました。影響は大きそうです。

TBSが日テレの運用型テレビCMに参画 テレビ業界の変革が加速
 日経クロストレンド電子版 2025/9/2より。TBSテレビと日本テレビ放送網は、テレビ広告のデジタル化を推進する「Ad Reach MAX」プロジェクトに関する基本合意書を締結。27年春をめどにTBSのテレビCM枠がオンライン上で取引可能となる、とのこと。日テレは特許を持っているため強いです。主要民放局を巻き込んだ「業界共通プラットフォーム」になるかもしれません。

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